刺しゅう糸の本取りと選び方

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クロスステッチでよく使う25番刺しゅう糸の「本取り」の意味と、布のカウントに合う本数、糸の色と量の選び方を説明します。

25番刺しゅう糸と「本取り」

手芸店でよく見かける、束になった刺しゅう糸の多くは「25番刺しゅう糸」です。1本に見える糸は、実は6本の細い糸がゆるくより合わさってできています。刺しゅうでは、この細い糸を1本ずつ引き出して、必要な本数をそろえ直して使います。

このとき、何本をまとめて針に通すかを「本取り」といいます。2本をまとめて使うなら「2本取り」、3本なら「3本取り」です。本数が多いほど×がふっくらと太くなり、少ないほど細く繊細になります。

糸の分け方:糸を40〜50cmほどに切り、端から1本ずつつまんで、まっすぐ上に引き抜きます。必要な本数を引き抜いたら、端をそろえて針に通します。6本のまま使ったり、何本かまとめて引き抜いたりすると、糸がからまりやすくなります。

布のカウントに合う本取り

本取りの本数は、布の目の大きさに合わせて選びます。目が大きい布に細い糸で刺すと布が透けて見え、目が細かい布に太い糸で刺すと、糸が穴に通りにくく、ごわごわした仕上がりになります。

布のカウント本取りの目安仕上がりの印象
11ct(約43目/10cm)3本取りふっくらと、はっきりした×になります。
14ct(約55目/10cm)2本取りもっとも標準的な組み合わせです。
18ct(約71目/10cm)2本取り(繊細にしたいときは1本取り)細かく、すっきりした仕上がりになります。

これはあくまで一般的な目安です。同じカウントでも、布の色や好みによって本数を変えてかまいません。濃い色の布に明るい糸で刺すときは、1本多めにすると色がよく出ます。迷ったら、布の端で数目ためし刺しをしてみましょう。

糸の長さと束数(かせ)の目安

図案メーカーの文字・写真のツールでは、「使う色の一覧」に、色ごとの必要な長さ(m)と、DMC 25番刺しゅう糸1束(約8m・6本撚り)で何束必要かの目安を表示しています。計算の条件は次のとおりです。

条件内容
布のカウントツールで選んだ11ct・14ct・18ct。1目の幅=2.54cm ÷ ct(14ctなら約0.18cm)
本取り2本取りが既定。ツールで1〜3本取りを選べます
1目あたりの糸の長さ1目の幅 × 4.8 ×(1+ロス率)。4.8は、表の斜めの糸2本(約2.83目分)と、裏で次の穴へ渡る糸(約2目分)の合計です
ロス率50%(刺し始め・刺し終わりの始末、針に通す分、目から目へ渡る糸)
1束の長さ約8m(6本撚りのまま)
まるめ方長さは0.1m単位、束数は1束単位で、どちらも切り上げ

式にすると、次のようになります。

  1. 本取りした糸の長さ(m)= 目数 × 1目の幅 × 4.8 × 1.5 ÷ 100
  2. 束のままの長さ(m)= 本取りした糸の長さ × 本取りの本数 ÷ 6(2本取りなら3分の1)
  3. 束数 = 束のままの長さ ÷ 8m(切り上げ。最低1束)

たとえば、14ctの布に200目を2本取りで刺す場合は、0.181cm × 4.8 × 1.5 ≒ 1.31cm/目、200目で約2.6m、2本取りなので束のままの長さは約0.9mで、1束です。3本取りにすると約1.4m、11ctの布で3本取りなら約1.7mになります。名前1〜2段ほどの図案なら、1束で足りることがほとんどです。束数は色ごとに切り上げるため、色数が多い写真の図案では、合計の束数が実際の使用量より多めに出ます。

糸の長さと束数は目安です。刺し方のくせ、糸の引き具合、裏での糸の渡し方によって、実際に使う長さは変わります。途中で糸が足りなくなると、同じ色番号でも染めの時期によって色味が少し違うことがあるため、少し多めに用意しておくと安心です。

糸の色の選び方

名前の刺しゅうでは、まず「読みやすさ」を考えます。布の色と糸の色の明るさに差があるほど、文字がはっきり見えます。生成りや白の布なら、こん・こげ茶・あかなどの濃い色が読みやすく、くすみピンクやセージグリーンのようなやさしい色は、上品な印象に仕上がります。

図案メーカーでは、代表的な糸の色を選ぶと、その色に近い糸の色番号の目安を表示します。DMCの番号は、第三者が公開している色データ(CC BY 4.0)をもとにした近い色の目安で、COSMO・オリムパスなど確認できていないメーカーの欄は「—」にしています。画面の色はお使いの端末によって見え方が違うため、実際に糸を選ぶときは、お店やメーカーの色見本で確かめてください。

針の選び方

クロスステッチには、先の丸い「クロスステッチ針」を使います。布の織り糸を割らずに穴を通せるからです。針の太さは号数で表され、本取りの本数が多いほど、穴の大きい太めの針が使いやすくなります。針のパッケージに、対応する布のカウントや本数が書かれていることが多いので、参考にしてください。